地雷はどれほど地雷なのか?


パソコンのパーツで『パッと見おんなじように見えるけど、実はわりと落差が激しい』ものを『地雷』と呼んだりします。もちろん俗語なので明確な基準なんかはありませんし、性能差が大きくても価格で判断がついたりするような場合は地雷とはいいません。

とまぁ、大いに主観が入る呼び方なわけですが、その詳細を知ってる人は確実にそれは地雷だ、と断言するものも少なからずあります。そのうちの1つが GeForce5200 の 64bit 版といわれるものです。

簡単に説明すると、まず GeForce5200 というのはグラフィックチップです。画面表示を担当します。世代としてはすでにずいぶん古く3世代ほど前でしょうか、確か 2003 年ごろ。

グラフィックボードを選ぶときはグラフィックチップの種類と搭載しているメモリの量を見るのが基本です。そしてこの2つが大きくアピールされます。が、GeForce5200 についてはメモリバス幅が 64bit のものと 128bit のものがあり、64bit のものが地雷と呼ばれています。どういうことかたとえるなら、工場と倉庫があって、その間の道路の幅が倍違うわけです。6.4m と 12.8m。軽トラしか通れない道と大型ダンプが通れる道…ってそこまでは違わないか。

そして困ったことにお店でパッケージを見ても多くの場合、メモリバス幅は書かれてません。そして値段も大して変わりません。64bit か 128bit かの分かれ目は買うときに知ってるか知らないか、運がいいか悪いかのみです。なので地雷と呼ばれます。:twisted:

そしてわたしも地雷を踏んでしまってたわけですが、最近友人が新しいマシンを組んでパーツが余ったから、と 128bit 版の GeForce5200 を回してくれました。 😀 thanks!
というわけで手もとに 64bit と 128bit の GeForce5200。今ごろ GeForce5200 でのベンチ?……とは思いながらも「メモリバス幅で実際どんぐらい違うのよ?」と実際に比較してみました。

ファイナルファンタジー

グラフィック性能を見るんだったらゲーム系のベンチです。もちろん 3D。だとすれば最初にやるべきは FFBench で確定。最新は3のようです。

Vana’diel Bench3

64bit 版では Low モードで 4500 前後、High モードで 2050 前後でした。まぁなんていうか、それなりではあります。

では 128bit 版ではといえば Low モードで 5250 前後、High モードで 2950 前後。かなり上昇してます。数字としては高解像度でもプレイ可能っぽいです。ベンチ中一部表示が点滅したりしてたので、実際のゲームで快適かどうかはちょっと疑問ですが。

大航海時代 Online

次は同じく 3D なゲームのベンチマークで大航海時代 Online のベンチマークをやってみました。

大航海時代 Online Benchmark

このベンチマークはいろいろ条件を変えて測定できるんですが、解像度だけを変えて測定しました。まず 64bit 版の 800*600 フルスクリーンでは 126-40-102(268) 、1024*768 フルスクリーンでは 93-32-79(204)、 800*600 ウインドウでは 86-33-72(191) という結果でした。あからさまに海上の数値が低いですが、比較としては問題ないでしょう。プレイにはそれほど問題ない数値です。

そして 128bit 版ですが 800*600 フルスクリーンでは 167-52-133(352) 、1024*768 フルスクリーンでは 144-42-117(303)、 800*600 ウインドウでは 118-44-95(257)  となりました。ウインドウでも快適にプレイできそうな数値です。

ゆめりあ

そしてもちろん、ゆめりあベンチもやってみました。

ゆめりあベンチマーク

公開直後にはサーバがダウンし、それがニュースになったほどの有名ベンチマークです。ある意味定番。

64bit 版では低解像度で 1542、高解像度で 795 でした。128bit 版では低解像度で 1776、高解像度で 923 になりました。上がり幅はいちばん地味?

まとめ?

やっぱり地雷はいわれているとおり地雷でした。ソフトによっては 1.5 倍にまでなってしまったのは驚きです。グラフィックボードが違うとはいっても、基本的にはレファレンスデザインのはずなので、メモリバス幅による違いだと考えていいと思います。

じゃぁなんで今まで使ってたの?という話もありますが、実は 3D 性能というのはあまり使う場面がありません。一番多いのはやはりゲーム、それ以外だとがくんと離れて 3D CAD ぐらいしか使いみちが思いつきません。とはいえゲームも 3D は主流派じゃないし。というわけで不満はありつつも地雷なグラフィックボードをこれまで使ってたわけでした。繰り返しになりますが、動画の再生とかは全然問題ないし。

こんな状況で Vista の Aero のために 3D 性能用意しろといわれても…イラネーよ、と思ってしまうわけです。というのは余談でした。

さて。上記の3つについてはドライバのバージョンも同じはずですが、うっかり(?)ドライバを更新してしまったあとに計測したデータもあります。ドライバの更新による影響はあまりないとは思いますが、ちょっと条件が変わってしまっているので最後に持ってきました。

CrystalMark 2004R2

マシン全体の性能を計測するベンチマークソフトです。ランキングとかもあるようです。ワタシはとても挑戦できませんが。

CrystalMark 2004R2

CPU やメモリの性能も表示されるんですが、グラフィック周りの数値だけ書いておきます。項目:64bit→128bit、GDI:6980→11238、D2D:1760→3244、OGL:3914→5155、でした。


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