サイボーグ技術が人類を変える – NHKスペシャル 立花隆 最前線報告


攻殻機動隊というSFの世界をご存じでしょうか。そこで暮らす人々は、首のつけね辺りに脳をコンピュータと接続するインターフェースを取り付け、ネットワークへ直接ダイブ(アクセス)できる世界です。ネットワークから送られてきた情報は直接、視覚や聴覚へ送り込まれます。しかし、この世界は既にフィクションではなくなっていることを見せつけられました。NHKスペシャル サイボーグ技術が人類を変える突き詰めれば身体は脳と外界とのインターフェースにすぎないわけで、そのインターフェースを制御している信号の仕様が判明すれば他のモノと置き換えることは全然難しくありません。私たちが PC のディスプレイや内蔵ボードを交換するのと同じです。そしてさらに突き詰めれば、脳自体の働きも神経繊維を流れる電気信号の塊です。であれば電気信号を流すことで失われた感覚を取り戻すことも、さらには感情をコントロールすることも出来てしまいます。って、そんなことはとうの昔に分かってることで今さら驚くような話じゃありません。高校生物の教科書にはン十年前から書いてあります。乱暴に言えばカエルの脚に電極刺してピクピクさせてるのといっしょです。でも、それを現実の技術として映像を見せつけられるとやっぱりショックです。番組中にネズミの脳へ電極を埋め込んでの実験風景を撮影したビデオが流れていましたが、そのタイムスタンプ(?)は1997で始まっていました。8年前です。そして現在では人間の脳へ電極を取り付け、コンピュータの画面上に表示されたポインタを操作している、という映像も紹介されました。しかし、この方面の研究は軍が大きく関わっているようですので、恐らく本当の最先端はもっともっと先なのでしょう。というのは映画やテレビの見過ぎですか?そしてこの技術、最終的には外科手術が必要なくなるのが一つの到達点でしょうか。そしてもうひとつの到達点は脳だけでの存在。それが生存と言えるかどうかは大いに議論の余地があると思いますが、入力と出力が可能であれば脳だけに栄養と酸素を供給すれば、個としては存在が可能になります。出力として全身を機械に置き換えれば年齢による肉体機能の低下からは解放されます。となると、人間の寿命は脳細胞の機能がドコまで持つかという話になってきます。しかし、その場合生物として考えると繁殖の問題が。DNA をフルスクラッチする(ゼロから新しく作る)にはいくらなんでももうしばらくかかるでしょう。ということは、それまでは生身の体は必要なわけで。って、なんだか攻殻機動隊から銀河鉄道な方向へ。るつぼを支えるネジになれ。これ以上は収拾がつかなくなりそうなので最新情報は SCI(サイ) をご覧ください。ところで、今年実用化予定と紹介されていたパワードスーツですが、やっぱり気になるお約束。背中は掻けますか?


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