シーズン中でももっとも抜きにくいサーキット、モナコ。なんですが毎年それなりに楽しめるレースになるのがフシギ。今年もかなり楽しいことになりました。
まず予選ですが、フリー走行で好タイムを出してたアロンソがフリー走行でのクラッシュからマシンの修復が間に合わずに棄権、決勝ではピットスタートに。一方ポールポジションはやっぱりのレッドブル、マーク・ウェバー。続く2番手はチームメイトのフェッテルではなくてルノーのクビサが割り込みました。3番手は順当にセバスチャン・フェッテルというトップ3という結果でした。
そして決勝。やる気満々でグリッドへ車を斜めに止めたクビサですが、最初の転がりが悪く出遅れます。その後ろではミハエルがニコの前へ。やっぱりどっちかというと奇数グリッドのほうが有利だったってことなのかもしれません。
そんな感じで全車トラブル無く1コーナーを抜けるんですが、ヒルケンブルグがトンネル内でクラッシュ。セーフティー・カーが導入されます。それをみて素早く動いたのがアロンソ。1周目が終わった時点でピットインしてスタート時に履いていたオプションタイヤをプライムタイヤへ交換します。これでタイヤの交換義務を果たしたことになるのでルール的にはゴールまで走り続けることが出来ます。セーフティー・カーのおかげで前方のクルマとのギャップは広がりませんから実質の位置は、ピットインのロスタイム分約19秒程度、前にいることになりました。もちろんタイヤが持てばですが、これまでのレースと週末のフリー走行を見る限り、今年のブリヂストンタイヤはなんとか出来てしまいます。アロンソはオーバーテイクショーをやる気満々です。
という映像を見ていたら止まっているマクラーレンの映像が。バトンのマシンが煙吐いて止まってました。今週末はぴりっとしませんでしたが、実質1周したところでエンジントラブルはいろんな意味でびっくりです。ちなみにモナコ開幕時点でポイントリーダーでしたが、もちろんこのレースではポイント0です。
このあとはタイヤ交換タイムで多少の順位が入れ替わったりバリチェロのクラッシュとか下水のふたが外れて(?)セーフティー・カーが入ったりしながら周回数を消化した終盤の74/78周目、トゥルーリとチャンドックがラスカスで接触して車どうしが重なってしまい4度目のセーフティー・カーが登場。映像を見るとかなり危険だったように見えたんですが、特に情報がないのでたぶん大丈夫だったんでしょう。残り周回を考えるとセーフティー・カー先導のままでフィニッシュかと思われましたが、なんとファイナルラップでセーフティー・カーがアウト。数百メートルだけレースが再開されてフィニッシュとなりました。優勝はウェバー、2位にはフェッテルが続いてレッドブルが1-2。3位はクビサという結果に。レッドブル強すぎます。
という結果だったんですが、結果が出るちょっと前に一番の見せ場が。ほんの数百メートルのレースでミハエルがアロンソを抜いてフィニッシュしました。
[tegaki]やっぱりやつはクレイジーだ![/tegaki]
チームメイトだろうが弟だろうが、チャンスがあれば行く人ですから、そりゃいきますね。今年から変わったルールをきっちり使うなんてさすがのミハエル。中国での走りは見ているほうがつらい感じもありましたが、スペインとモナコを見たら逆にアレはなんだったのか首をひねるぐらいです。
一応レース後審議ということになってますが、まぁ関係ないです。もしペナルティになっても「あら、ちょっと早かったかな?」ぐらいで笑ってそうです。地上波のレース後インタビューはご機嫌でした。
そろそろ「レッドブルが抜け出てるかなぁ?」という気がし始めましたが次戦トルコGPは5/30決勝。ぎりぎりヨーロッパ?サーキットはボスポラス海峡の東側らしいけど。
追記 10/5/17
結局ドライブスルーペナルティ、レース終了後のため20秒のタイム加算との裁定が下され、メルセデスが裁定に対して控訴という展開になったようです。裁定の根拠は競技規則40.13
2010 F1 Sporting Regulations – published on 11.02.2010 (PDF)
40.13 If the rece ends whilst the safety car is deployed it will enter the pitlane at the end of the last lap and the cars will take the chequered flag as normal without obertaking.
でも、これってセーフティーカー状態が解除されずにフィニッシュする場合の規定のようにみえます。
なんちゃって訳:
セーフティー・カーが配備された状態でレースが終了する場合、セーフティー・カーは最終ラップでピットレーンへ入り、競技車は通常どおり(たぶんセーフティー・カーが先頭にいる状態の意味)追い抜きすること無しにチェッカーフラッグを受ける。
もしそうだとするとセーフティー・カーがピットへ入ったあとのコース状態が問題になるわけですが、ビデオを見返すとセーフティー・カーラインの直後からグリーンが提示されています。レース終了で振ってるだけなら他のフラッグも振るし、何よりグリーンが振られているのはフィニッシュラインの手前です。
レギュレーションの解釈は私が英訳を間違ってる可能性もありますが、少なくともチェッカーフラッグの手前でグリーンフラッグが振られていたことは間違いありません。だとすると追い抜きもありなんだよなぁ。
どうなるんだろ?