さて、2008年以降(年内に合意があれば2007年から)のお話です。まずはすでにご覧になってるかもしれませんが CDG Wing (Centreline Downwash Generating Wing) というリアウイングの話が出てます。手っ取り早く絵を見てください。中央が分かれて、リアタイヤの後方にウイングが設置されてます。で、これで何が変わるの?という話はもう一枚の方をみてください。こちらには空気の流れと圧力が描かれているんですが、これまでの車では車の後方で空気の流れが跳ね上げられて気圧が低くなっていた部分がなくなり、スムーズな空気の流れができますよ、ってコトです。これはどういうコトかというと、いわゆるスリップストリームに入って追い抜こうとしても、現状のマシンでは前を走るマシンの後ろへ入ると空気が薄かったり、乱気流だったりしてダウンフォースが足りなくなってしまい、オーバーテイク(追い抜き)ができにくくなってしまっています。そこでマシン後方の空気の流れを変えてオーバーテイクしやすい車にしましょう、というのがこの案の目的です。と、多くのところで紹介されてるんですが…これって本命はディフューザーを無効化してダウンフォースを減らすことでしょ??現在の F1 マシンで発生するダウンフォースの大部分は車両の下面で発生しています。車両後端のデフューザーから車体の下にある空気を引っこ抜き、それをリアウイングでさらに上へほうりあげることで車体下面の気圧を低くして、車体正面との気圧差を発生させることでダウンフォースを得ています。その車体下面で生じる気圧低下を無くすことでダウンフォースを大幅に減らすのが狙いだと思われます。でなければグリップがありすぎるという理由で廃止された幅広スリックタイヤの話なんて出てくるわけがありません。CDG Wing では確実にダウンフォースが減るはずです。そしてゆくゆくは ダウンフォースの総量規制 へ進みたいというのが FIA の狙い、だったらいいなぁ…と思ったり。もし、小倉さんの記事通りに進めば、形がまるっきり違うモノになりそうです。ル・マンのマシンみたいになる?っても、オープンホイールって線は崩さないだろう、でもタイヤはかなりジャマなはずだからどうにか隠そうとするだろうし…やっぱり見てみたい。(笑そしてこの CDG Wing。こう、もっと違和感があっても良さそうなのに、なんだか見慣れてるような気もするんです。不思議なことに。いや、そんなはず無いのになんでだろう…?と考えてたら思い出しました。虎之助がいた頃はやった X Wing が後ろへ行ってでかくなってるのが CDG Wing やん。すっきり。時代は繰り返すってコトですねっ!さらに、繰り返すんじゃないの?というのがタイヤ。なんだかワンメイクが確定してる雰囲気です。ミシュランは以前からワンメイクじゃ意味ねー、っていってますし、BS も「それじゃツマラン」というコメントを出してるようです。ここは1発どちらも手を引いて、表彰台の MOET みたいに 普通にお買い上げ頂く方向で考えてみるのもアリなんじゃないかと思うわけです。それとも「幅広スリックタイヤ」ならもう1社ありますよね。やりそうなところが。思いもよらない展開、ってことでワンメイクを GY が引き受けるってのはどうですかっ!?(笑最後に非常に F1 らしいお話が。 ラウダ ダブルリアウィング案を支持 という記事があるんですがその最後の方で引用:最大の反対意見はチームのコマーシャル部門から出てきている。彼らによると、リアウィングの面積が分断されることによって、重要な広告部分の価値が下がってしまうという。ごもっともでございます。小さいの2つよりも大きいのを1つって世界ですから。フロントウイングの中心にノーズがあるのとはわけが違いますからね。確かにリアウイングはかなり目立つ広告ポジションですし。とはいえ、なんとかしちゃうんでしょう。きっと。